【プロローグ】
いよいよ10回目の”サロマ湖100kmウルトラマラソン”に臨む時が来た。完走すれば、記念すべき大会になる。そう、
「サロマンブルーメンバー」(リンク先:大会HP)
の資格を得ることになるのだ。今回は、それに相応しいイイ走りをしたいと備えていた。
ワタクシの、”サロマ湖”の大会自己記録は2015年の9時間28分だが、100kmの自己記録は9時間24分(2014年柴又100K)である。今回は、これらの記録を上回る
「9時間20分切り」
を目標にし、実現するためのトレーニングしてきたのだった。
εεεヘ(;`´)ノ
ここで、過去の大会を振り返ってみると‥
年 / タイム
2008 / 11:32:20
2009 / 12:57:47
2010 / 11:22:09
2011 / 9:55:23
2012 / 12:58:31
2013 / 10:48:10
2015 / 9:28:43
2016 / 9:55:13
2017 / 9:52:13
コンな風に2008年から走ってきたのだが、残念ながら、2014年の大会には、先着順のエントリーに間に合わず出場出来なかったので連続出場になっていない。しかし、完走率は100%を保っている。制限時間ギリギリで完走する様な苦しい年も有ったが、一回一回、リタイアすること無く積み上げて来た。
さて、今回は、なるべくイーブンペースを守って走れる様に、前回のブログにも載せた、5km毎の通過時間を書き出した紙(※下の画像)を携行したのだが、このペース配分はトイレや補給のロスタイムを含めていないので、実際にはコレよりも速く走らなければイケないコトになる。
では、実際にはどうだったのだろうか?この予定の通過タイムと、実際に走ったタイムとを比較してみよう。
※計測は自分の時計
※スマフォは横画面でご覧ください
累積時間←予定との差 / 5km-lap
5km -26:45← -0:45
10km -54:24← -0:16 / 27:39
15km-1:21:43← -0:17 / 27:18
20km-1:49:25← +0:05 / 27:43
25km-2:16:54← +0:20 / 27:28
30km-2:43:57← -0:03 / 27:03
35km-3:10:08← -1:22 / 26:11
40km-3:37:25← -1:35 / 27:18
45km-4:04:30← -2:00 / 27:05
50km-4:33:34← -0:26 / 29:04
55km-5:02:09← -1:21 / 28:34
(含rest)
60km-5:29:28← -1:32 / 27:19
65km-6:01:36← +2:06 / 32:09
70km-6:29:48← +1:48 / 28:12
75km-6:58:31← +2:01 / 28:43
80km-7:27:04← +2:04 / 28:33
85km-7:55:45← +2:15 / 28:41
90km-8:24:05← +2:05 / 28:19
95km-8:50:56← +0:26 / 26:52
100km-9:17:15← -1:45 / 26:21
※赤文字:予定オーバー
※目標の9:20よりも1分速い9:19で通過タイムを設定している
結果的には目標の
「9時間20分切り」
を達成し、100kmを
「9時間17分15秒!」
で、目標よりも2分45秒速く走ることが出来たのだが、そこには上記の数字だけでは見えてこない、それなりのドラマが有ったのだ‥
そのドラマの全景を「relive」で振り返っておこうか。
↓↓↓click!↓↓↓
「relive」は、ただの53歳の男が、自己ベストを賭けて「サロマンブルー」に挑んだ足跡だが‥これがどれだけのコトだったのかは、どう語っても第三者には理解されないことは分かってはいる‥が、これを語れるのはワタクシしかいないコトも分かっている。
ならば語ろうではないか!と或る53歳の男が、雄大なサロマ湖とオホーツク海を眺め、広大な畑と森の中を、地域の方々の応援を受けながら走り続けた、
「9時間17分15秒」
の物語を。
°˖✧((; ・`_・´))・*✧˖*
午前5時、スタート時の気温は13℃だとアナウンスされていた様に記憶している。雨の上がったワダチの溝には水が溜まりアスファルトは濡れていた。曇り空で風は気にならない程度。半袖のTシャツとランニングパンツでスタート地点に並んでいたが、肌寒さを少々感じる程度で冒険旅行を始めるには好適な気象条件だった。
スタートの号砲が鳴ると、周囲の選手の流れには乗りながらも、追い抜かれる方が多いペースで走り出していた。
最初の30kmは5'28:"/km ペースで走る予定だったが、ワタクシにとってはジレッたいペースだ。しかし、敢えてゆっくりと走った。30km 迄は、全くダメージを感じずに済ませたいと考えていたのだ。それでもペースアップしてしまったので、トイレへ寄ったりしながら帳尻を合わせていた。
とにかくペースを押さえて、30km 地点を予定の2:44:00 で通過するコトを意識しつつ、少しでもダメージを受けない様に、ロスの少ないフォームを常に確認していた。
足を路面に衝くインパクトの瞬間‥足底を通る荷重点の軌跡と、シューズの中で足が広がり足のアーチが変形する動きと、その足に体重が乗り込んで行く重心の移動‥全てを繊細に感じ取ろうと、一歩一歩を丁寧に接地していた。
走るコトに集中していたのだろう。周囲の選手達のペースに惑わされることも無く、ただ淡々と走れていたと記憶している。
記憶‥様々なコトを見て聞いて感じていたハズなのに、印象に残っている場面が少ない‥恐らく、それだけ走るコトに没頭出来ていたのだと思う。
30km通過:予定-2:44:00 実際-2:43:57
30km 迄は、我慢して押さえて押さえて走って来たが、それにストレスも感じていた。ここで、走りやすいペースに切り替えても良いだろうと思い、気持ち良く走れるペースで走ったのだが‥30km~35kmのラップが 26:11 になってしまった。予定の 27:30 を大きく上回っていた。しかし、50km 手前に長いアップダウンがやってくるので、タイムの貯金も欲しいと考えていたのだが、ペースを上げ過ぎない様に気持ちを変えて、今度は60km 地点を予定の 5:31:00 で通過するコトに目標を変えた。
40km を過ぎ、サロマ湖畔へコースは進み、42.195km を 3時間49分で通過。序盤を押さえていたのでワタクシとしては遅いと感じてしまうタイムだった。
この辺りは応援の方も多い、ついついペースアップしそうになるが、ここでもじっと我慢した。
‥と、ポツリ、ポツリ、にわか雨が降り出した。予報よりも早い雨だった。応援の方々も雨具を使い、中には大きなフキの葉を傘にしているオジサンもいた。
「本当に、傘になるんだ‥」
サロマ湖ならではの情景だろう。
‥しばらく携行していたビニールポンチョを羽織っていたが、いつしか雨はやみ、日が当たって羽織っていたポンチョが邪魔になっってきた‥さて、ここでポンチョを捨てるか終盤に備えて携行するか?空を眺めながら考えたが‥
「行ける!」
っと感じた。ただの直感で、終盤のワッカで冷やされるコトも考えたが、ワッカで降られたとしても大したことは無いだろうと根拠の無い判断をした‥ポンチョは破りながら脱いで、次のエイドステーションのゴミ箱へ投げ入れるコトになった‥
いよいよ 50km 手前の登り坂にやって来た。‥やはりペースは落ちた‥設定のペースが速過ぎたコトにもなるのだが、このペースで無いと目標達成は厳しくなる。これまでに貯めたタイムの貯金を使って 60km 地点で帳尻が合えば良いのだが‥自信は無かった。
そして 50km を通過。予定よりも30秒近く早く通過出来たのだが、脚のダメージは予定以上に大きいと感じていた。
「このペースはキツイ‥」
と思ったが、目標を達成する為に、
「いよいよ無理だと感じる所まで行くとしよう!」
っと、チョッとした博打に出た。とにかく脚のダメージが大き過ぎたので、少しでもタイムロスしない様にと、54.5km のレストステーションは1分前後で通過した。そして、55km 地点を通過。予定よりも1分以上速かったのだが、ここでミスを犯してしまった。
例の5km毎の通過タイムを書いた紙の文字が老眼のワタクシには小さ過ぎて、先程まで読めていた数字が読めなくなっていたのだ!走って来た疲労と共に、文字も読み取り難くなる!?‥全くの想定外では無かったが‥けれども計算すれば分かるモノだったので、記憶通りに設定タイムを計算し‥時計を見ると‥予定よりも遅れていた!
後で気づいたのだが、この時にレストステーションに滞在予定の2分を計算に入れ忘れたので、実際には55km 地点を予定よりも1分21秒速く通過していたのに、40秒程遅れていると勘違いしていたのだ。
60km 迄は予定通りに行けるハズだと思っていただけに、55km 地点でタイムをオーバーしたと勘違いしたので焦っていた。その為、55km~60km の区間はアップダウンが大きいのにもかかわらず、下りでもペースを落とさない様に走っていた。
そして60km を予定の 5:31:00 よりも1分30秒速く通過したのだが、疲労で思考力も落ちていたのだろう。何が起こったのか理解するのに時間がかかった。
60km通過:予定-5:31:00 実際-5:29:28
勘違いに気づいたが、とにかく 60km 迄をホボ(?)予定通りに通過してきたコトで、一安心出来た。後は残りの40km を、この脚の状態で一番速く走れるように走れば良いのだ。もう、予定タイムよりも、体の感じを優先した方が良いと考えた。
さてと、と或る男のたわい無い100kmウルトラマラソンの参戦記は、これから佳境に入るのだが、ここで一休みするコトにしようか。随分と長文になっている様だ。
実はこの先、体のキツさから精神的に一度メゲるのだが、それをナンとか乗り越えて目標を達成するまでの心情が‥
とにかくここで、乞うご期待と言うコトにしよう。
では、一旦、さらばじゃ!”∖(^_^*)
"サロマ"じゃ! < > サロマ湖 参戦記【後編】
↓ ↓ ↓ click! ↓ ↓ ↓
コメントをお書きください